「敏感期」という言葉は、ド・フリースという生物学者が使いだしたものだそうです。
モンテッソーリという女性の偉大さは、この概念を教育に持ち込んだことにあります。

彼女が敏感期について説明する際に頻繁に使ったのが、幼少期の毛虫についての話なのだとか。

安全に生まれるため木の幹の近くで卵から孵る毛虫たち。
でも生まれたての毛虫たちにとって、幹の近くにある葉は硬くて食べられないのだそう。
彼らは、枝の先にある新芽しか食べることができません。

はて、どうするのでしょうか?
その答えは、彼らは枝の先まで移動するのです。
一見変哲も無い答えに見えますが、枝先へと向かうプロセスが、不思議で面白いのです。

お腹を空かせて彷徨っているうちに、、、というように苦労の末に食料を見つけたわけではありません。
彼らは吸い寄せられたのです。

なにに? 光に。

生まれたての毛虫は光に非常に敏感な感受性をもっているのです。
だから生まれたての毛虫は、吸い寄せられるように光に向かって進んでいきます。
つまり、明るく光の当たりやすい枝の先に向かっていくのです。
枝先でたらふく食べて成長した後、毛虫は光に対して全く鈍感になり、木の下の方に降りていきます。
このような生物の特徴を、モンテッソーリは人間にも見出し、それを教育に利用しました。

ここまで書いてきて、上の文中にある「吸い寄せられた」というのが、ここでは重要なのだと気付きました。
敏感期にある者は、「吸い寄せられるように」その能力の獲得へと向かいます。
そうでない者なら多くの時間と労力を要するものでも、敏感期にある者なら簡単に習得してしまいます。
つまり敏感期は、能力を獲得するための最良の好機なのです。

逆に言うなら、敏感期を逃すと、その能力を得るのに多くの苦労を強いなければならないということです。
だからこそ、何歳頃にどんな敏感期があるのだろう、と知っておくことはとても大切なことなのです。

次回から、実際にどのような敏感期があるのかを勉強していきたいと思います。
たのしみ〜

【参考・引用】

「ママ、ひとりでするのを手伝ってね!」(1985) 著・相良敦子
 第1章「自然からもらっている宿題」
  ー3「敏感期について」

(2015-01-13-Tue)