HOME >  エンジェルのいろいろ。 >  モンテッソーリを、1行ずつ。 >  【第4回】3歳までの主な敏感期(1)


モンテッソーリ教育のキーワードである「敏感期」。
今回から、具体的にどのような敏感期があるのかを学んでいきたいと思います。
今回も引き続き、参考書籍は「ママ、ひとりでするのを手伝ってね!」(相良敦子)です。

各年代においてなにに興味を持つのかは様々ですが、今回は3歳までの敏感期について。
本書のなかでは、3歳までの敏感期として「吸収する心」と「秩序感」という2つを挙げています。
今日はそのひとつ「吸収する心」についてじっくり読んで考えてみます。

モンテッソーリは3歳という年代をとても重要視しているようです。
子どもが3歳までの間にどのような環境で育ってきたのかが、その後の生涯に大きな影響を与えるのだと言います。
3歳までに脳の60%の部分に神経繊維は配線され、6歳ごろまでに約90%、10歳ごろまでに約99%ができあがってしまうのだそう。
とくに最初の3年間に、外界の見るもの、聞くもの、触れるものすべてを非常に積極的に吸収していくのです。その精神形態は3歳を過ぎると失われていき、6歳以降は完全に消えてしまうのだとか。

美しい言葉や音楽。愛されている安心感。豊かな文化や自然。
そのような環境のもとで得られた様々な体験やその印象を、積極的に自分の中に取り込んで貯めていくことが、「吸収する心」が活発にはたらいている3歳までの時期においては大事なことなのです。

だから、子どもが3歳にもなる前から、ウチの子は何ヶ月で立った喋った言葉を覚えた! と発育スピードを競い合って焦る必要はないのだと思います。

身の回りに溢れている色彩、聞こえてくる音や声、漂っている臭い、触れて温度を感じられる物、それらすべてを、子どもたちは自分のなかに取り入れようとしている。
そのことを知るだけで、大人としてできることがたくさんあることに気付きます。

いまぼんやりとなにかを見つめている子どもの目には、自らに取り込むに価するキラキラした対象が映っているのです。
そんな環境のなかにそっと連れ出してあげる。
そんな小さくて大きな仕事が、大人の私たちには求められているのです。

【参考・引用】

「ママ、ひとりでするのを手伝ってね!」(1985) 著・相良敦子
 第1章「自然からもらっている宿題」
  ー4「三歳までの主な敏感期」

(2015-01-28-Wed)