前回は3歳までの敏感期ということで「吸収する心」について勉強しました。
今回からは、おなじ3歳までの敏感期のもうひとつ、「秩序感」についてです。
「子どもは秩序が好きです!」とはモンテッソーリの言葉です。
秩序感とは、宇宙の中で自立していくための羅針盤のようなものだと、モンテッソーリは考えていたようです。
その秩序感は大きく3つの種類があります。
1、外界への秩序感
2、体内の秩序感
3、精神的秩序感
今日は上記のうちの「外界への秩序感」について考えてみます。
モンテッソーリいわく、子どもたちはこの外界への秩序感を手掛かりに、世界の中でどう動けばいいのか、自分の行動や理解をひとつひとつ確かめていくのです。
子どもたちは、人や物のあるべき「場所」にこだわったり、「順序」がちがうと嫌がったり、ほかにも「所有物」「習慣」「約束」などに対して秩序を見出し守ろうとします。
たとえば、「場所」に対する秩序感について。
同じものが同じ場所にある。
子どもにとってはそのことがとても大事なことなのです。
園内での生活においても、この場所の秩序感についてのエピソードはたくさんあります。
たとえば、Dグループ(2~3歳クラス)のお昼寝の時間。
ある子は、布団を敷く場所がいつもと違っていたりすると、ここじゃない! と泣きわめいたりします。
その子にとっては、その場所に布団がある、という秩序が保たれることが、落ち着いたり安心できたりする条件なのだなと思いました。
ここじゃイヤだ! と子どもが駄々をこねる場合があるとしたら、もしかしたらそれは「場所」の秩序を守ろうとしているのかもしれません。
だから、ご家庭でも、安易に物の置き場所や子どものいる場所を動かそうとする前に、ここにあるのが(いるのが)嬉しいのかも? などと少しだけ子どもの動きや視線に注目して観察してみると、なにかたのしい発見があるかもです。
「ママ、ひとりでするのを手伝ってね!」(1985) 著・相良敦子
第1章「自然からもらっている宿題」
ー4「三歳までの主な敏感期」